グーグルは世界を「より良い場所」に変えるのか

執筆者:梅田望夫 2004年10月号
カテゴリ: IT・メディア

 グーグルの株式公開日終値(八月十九日、一〇〇・三三ドル)で計算した時価総額は二百七十二億ドル(三兆円弱)に達した。その後も株価は安定して推移し、九月に入っても一〇〇ドル台を維持している。過去最大級の新規株式公開で、しかも「創業者の議決権が一般投資家に売り出した株の十倍」という異例の資本構造の導入、さらには競売方式での公開価格決定と、不確実な要素が満載だった割には混乱も少なかった。バブル崩壊後のシリコンバレーが待ちに待ったグーグル株式公開は大成功だったと言えよう。 今年に入ってから本欄ではグーグルについてずっと書き続けてきた。それは、厖大な数のネット企業がこの十年に生まれたけれど、グーグルだけがインターネットの本質を発見し、それを見事に体現した企業だと私が考えているからである。このたびの株式公開で調達した十六億七千万ドルは、グーグルが温めている多くの新構想を実現するための資金であり、グーグルはこれからも我々を驚かせ続けてくれるはずである。 グーグルが凡百のネット企業と異なるのは、グーグルが提供するサービスの背後にインターネットの本質を抉り出す思想があり、その思想が「情報発電所」とも言うべきグーグルのシステムに具現化されて「世界を変える」可能性を秘めていることだ。

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執筆者プロフィール
梅田望夫 1960年東京都生れ。94年渡米、97年コンサルティング会社ミューズ・アソシエイツを起業。著書に『ウェブ進化論』(ちくま新書)、『ウェブ時代をゆく』(同)、『ウェブ時代 5つの定理』(文藝春秋)、『ウェブ人間論』(共著、新潮新書)など。メジャーリーグの野球、そして将棋の熱烈なファン。
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