マイクロソフトが「普通の会社」になる日

2004年10月号

配当ゼロ経営を転換し、史上空前の株主還元策を発表したビル・ゲイツの本音と悩みとは何か。 米マイクロソフトがパソコン用基本ソフト(OS)「ウィンドウズ」による実質独占で獲得した「過去の遺産」を、株主に安定的に還元することになった。利益還元を求める株主の圧力に屈し、七月に今後四年間で七百五十億ドル(約八兆円)を投じて配当倍増や自社株買いに充てると表明したのである。市場の成熟化や新たな競争相手との戦いで、米産業史上最強と称される同社もいよいよ「普通の会社」へ変身を迫られている。 七月末、マイクロソフトがシアトル郊外の本社で開いた年次アナリスト会議。ビル・ゲイツ会長は講演の冒頭で次のようなエピソードを披露した。 七月下旬、映画を観に出かけた。すると映画館である人が近づいて来て、いきなり「三ドルをありがとう」と声をかけられた。会長は何のことかさっぱりわからなかったが、映画を見終わると、別の人がやって来て「三ドルをありがとう」とまた感謝された。そこでやっと気付いた。彼らがマイクロソフトの個人株主で、七月中旬に発表した株主還元策で配当を受け取る人々であるということに。 ゲイツ氏は「ソフトウエアのビジネスモデルも人の役に立つのだ」と微笑んだ。

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