リテール再強化の欧州金融界が触手を伸ばすのは

2004年10月号
エリア: ヨーロッパ

「ドイツ銀行が国内の支店網を売却し、本店をロンドンに移す」と囁かれたのは二年前だった。伝統的にリテール(小口金融)事業を重視してきた欧州金融界が、一気に投資銀行業務へとシフトしたのは一九九〇年代以降のこと。ドイツやスイスなどの大手銀行は、国内に多数の店舗を維持しなければならないリテールを不採算事業の典型とみなしたのである。 ところが、いまや状況が一変している。彼らのテーマは「リテール再強化」。ドイツでは六月に郵便貯金民営化会社のポストバンクが上場したが、その際、ドイツ銀行が同行を買収する可能性が取り沙汰された。実際、ドイツ銀行が役員会で買収案を検討したというのは関係者の定説になっている。コメルツ銀行もドイツ南部が基盤のシュミット銀行を買収したほか、結局は破談になったもののオランダのINGが傘下に持つ独BHF銀行の買収にも名乗りを上げた。

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