米国も及び腰「マリ情勢」はいまだ予断を許さず

渡邊啓貴
執筆者:渡邊啓貴 2013年2月14日
カテゴリ: 国際 外交・安全保障
エリア: ヨーロッパ 中東

 アルジェリアで起きた人質事件やフランスのマリ軍事介入によって、アフリカにおける武装ゲリラに対する注目がにわかに高まっている。

 1月11日介入したフランス軍とマリ政府軍は、翌日にはマリ中部の要衝地コンナを奪還、21日には空爆と地上戦で同じく中部のディアバルをイスラム武装勢力から奪取し、空港のある政治軍事的要衝地セバレに到達していた。その後フランス・マリ政府軍はイスラム武装勢力が占領してきた北部に進行し、1月25日に西アフリカ諸国統一・聖戦運動(MUJAO) の拠点ガオを制圧。ついで28日には空港のあるトンブクトゥ、30日にはキダルの空港を制圧した。1月末にはマリ北部の武装勢力の拠点となっていた要衝都市をほぼ掌中にした。

 2月2日には「戦争大統領」オランドが自ら現地入りし、マリ国民の大歓迎を受けた。しかし「戦闘は終わっていない。マリ政府は全土を回復しなければならない」と指摘、テロリスト掃討作戦とともに、マリ政府軍の組織化・西アフリカでの治安確保のための軍事力育成、インフラ構築のための国際社会の支援が喫緊の課題であることを強調した。しかし財政逼迫のフランスの支援には限度がある。2月5日にはファビウス外相が3月からフランス軍は撤退を開始すると、パリのフリーペーパーのインタヴューで答えた。

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執筆者プロフィール
渡邊啓貴
渡邊啓貴 東京外国語大学大学院総合国際学研究院教授。1954年生れ。パリ第一大学大学院博士課程修了、パリ高等研究大学院・リヨン高等師範大学校客員教授、シグール研究センター(ジョージ・ワシントン大学)客員研究員、在仏日本大使館広報文化担当公使(2008-10)を経て現在に至る。著書に『ミッテラン時代のフランス』(芦書房)、『フランス現代史』(中公新書)、『ポスト帝国』(駿河台出版社)、『米欧同盟の協調と対立』『ヨーロッパ国際関係史』(ともに有斐閣)『シャルル・ドゴ-ル』(慶應義塾大学出版会)『フランス文化外交戦略に学ぶ』(大修館書店)『現代フランス 「栄光の時代」の終焉 欧州への活路』(岩波書店)など。
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