ロシアは「北朝鮮問題」で日米韓に傾斜

執筆者:名越健郎 2013年2月14日
エリア: ヨーロッパ アジア

 2月12日の北朝鮮による3回目の核実験で、北朝鮮が米中に加えて、ロシアに事前通告したかどうかで情報が錯綜した。通告がなかったなら、核超大国としてのロシアのメンツが立たず、朝鮮半島のプレーヤーとして格落ちとなる。

 インタファクス通信によれば、ロシア外務省筋は12日、「北朝鮮は米中両国に対し、核実験実施を日時などには触れず事前通報した。そのような事前通告はロシアにはなかった」と語った。その後、外務省高官はこの情報を否定。「ロシアにも事前通報があった。この種のことを大々的に公表する必要はないと考えた」と述べた。韓国の聯合ニュースも、北朝鮮が核実験の14時間前に米中露に通報していたと報じていた。

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執筆者プロフィール
名越健郎(なごしけんろう) 1953年岡山県生まれ。東京外国語大学ロシア語科卒業。時事通信社に入社、外信部、バンコク支局、モスクワ支局、ワシントン支局、外信部長、編集局次長、仙台支社長を歴任。2011年、同社退社。拓殖大学海外事情研究所教授。国際教養大学特任教授を経て、2022年から拓殖大学特任教授。著書に、『秘密資金の戦後政党史』(新潮選書)、『ジョークで読む世界ウラ事情』(日経プレミアシリーズ)、『独裁者プーチン』(文春新書)など。
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