北朝鮮は「制裁にも戦争にも準備」――半島危機は長期化へ

平井久志
執筆者:平井久志 2013年2月15日
カテゴリ: 国際 金融
エリア: 朝鮮半島

 北朝鮮が2月12日午前11時57分ごろ、咸鏡北道吉州郡豊渓里の実験場で3回目の核実験を実施した。

 北朝鮮の祖国平和統一委員会のサイト「わが民族同士」は2月9日、同国の「統一新報」の2月8日付論評「『力』にはさらに大きな力で」を転載した。この論評は「米国とその追従勢力」が金正恩(キム・ジョンウン)第1書記が述べた「国家的重大措置」(1月26日の安保・外交部門幹部との協議会での決定)を核実験と「早合点している」と報じた(「統一新報」は週刊紙で2月9日に発行されているが、この論評は掲載されていない)。

 北朝鮮側の意図は不明だが、これは「核実験延期か」と思わせるフェイント作戦となり、結局は「やると言えばやる」という北朝鮮の基本姿勢を貫徹するように核実験を強行した。

 北朝鮮外務省が1月23日に核実験実施を示唆してから20日がたっていた。米国のオバマ大統領の一般教書発表の前日、一昨年12月に死亡した故金正日(キム・ジョンイル)総書記の誕生日(2月16日)を目前にした時期だった。対外的には北朝鮮が核保有国として立場を固めつつあることを米国に突きつけ、国内的には昨年12月の「人工衛星」打ち上げに続く「国家的重大措置」を実行することで指導力を誇示し体制の安定を図ろうとする実験であった。

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執筆者プロフィール
平井久志
平井久志 ジャーナリスト。1952年香川県生れ。75年早稲田大学法学部卒業、共同通信社に入社。外信部、ソウル支局長、北京特派員、編集委員兼論説委員などを経て2012年3月に定年退社。現在、共同通信客員論説委員。2002年、瀋陽事件報道で新聞協会賞受賞。同年、瀋陽事件や北朝鮮経済改革などの朝鮮問題報道でボーン・上田賞受賞。 著書に『ソウル打令―反日と嫌韓の谷間で―』『日韓子育て戦争―「虹」と「星」が架ける橋―』(共に徳間書店)、『コリア打令―あまりにダイナミックな韓国人の現住所―』(ビジネス社)、『なぜ北朝鮮は孤立するのか 金正日 破局へ向かう「先軍体制」』(新潮選書)『北朝鮮の指導体制と後継 金正日から金正恩へ』(岩波現代文庫)など。
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