中国を揺らした権力闘争のいまだ語られざる真実

執筆者:藤田洋毅 2004年11月号
カテゴリ: 国際
エリア: 中国・台湾

最大の山場は8月に開かれたある会議だった。そこではどんなやりとりが交わされたのか。「われわれは、筋肉質の強国造りに邁進します」 中国共産党中央の中堅幹部は、声を弾ませた。九月十六日から十九日まで開かれた第十六期党中央委員会第四回全体会議(四中総会)で、ついに江沢民・党中央軍事委員会主席がその座からおり、副主席だった胡錦濤・党総書記が主席に昇格してまもなくのことだ。 胡を支えるブレーン集団のひとりと目されるこの幹部は、新たな時代への脱皮を実感している。完全引退を渋る江を追い詰めた今回の「政変」には、胡のしたたかな政治手法が存分に発揮されたのを知っているからだ。トウ小平の言葉や政策を焼き直して出してくるばかりだった江沢民の政治手法には「永遠再見!(永久にさようなら)」。「難問山積の中国を救うため、歴史は胡に舵取りを託した。今回の四中総会は、改革・開放に路線転換した七八年の第十一期三中総会に匹敵するターニングポイントだ!」と興奮気味だ。 四中総会を機に、中国の官製報道機関は、大量の「美談」を流している。「美談」の陰には、必ず様相の違う「真実」がある。「江沢民がみずから辞任を願い出た」というのが今回最大の「美談」だが、その「真実」に迫る前に、まず「美談」の流れを追ってみよう。

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