保守「巻き返し」で左右対立が激化する韓国

執筆者:黒田勝弘 2004年11月号
カテゴリ: 国際
エリア: 朝鮮半島

「国家を守れ!」――常軌を逸した「左」旋回の続く韓国で、ついに「右」が動き出した。盧武鉉政権の行き過ぎは果たして是正されるのか。[ソウル発]左右対立が深まっている韓国で右派や保守勢力の巻き返しが目立つ。このところ声明発表や街頭行動など政治的デモンストレーションの多くは保守派によるものだ。政権批判の「時局宣言」など、以前は左派や反体制派の専売特許みたいなものだったが、今やそれを保守派がやっている。またソウルのデモのメッカである光化門前や市庁前広場でのデモや集会も、今や保守派が中心になっている。これまで「物言わぬ多数」といわれた右派や保守派が「黙っておれない」と物を言い出しているのだ。 たとえば十月四日のソウル市庁前広場での“反政府集会”は、十万人規模に膨れ上がった。主催者側は三十万人というほど盛り上がったこの集会は、在郷軍人など年配者中心の伝統的な右派集団のみならず、女性をはじめ大衆的広がりが見られた。韓国最大のキリスト教教団である「純福音教会」(趙ヨン基牧師)など、キリスト教系の諸組織が大量参加したせいだが、宗教系でも保守派の動きが活発だ。米国とのつながりの強いキリスト教系による、反米傾向が強い盧政権に対する警告とみていい。キリスト教人口が多い韓国だけにその政権批判は無視できない。

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執筆者プロフィール
黒田勝弘 産経新聞ソウル駐在客員論説委員。1941年生れ。共同通信ソウル支局長、産経新聞ソウル支局長兼論説委員を経て現職。2005年度には日本記者クラブ賞、菊池寛賞を受賞。在韓30年。日本を代表するコリア・ウォッチャーで、韓国マスコミにも登場し意見を述べている。『“日本離れ”できない韓国』(文春新書)、『ソウル発 これが韓国主義』(阪急コミュニケーションズ)など著書多数。
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