深層レポート 日本の政治
深層レポート 日本の政治(58)

森派と山崎派――不仲の両派にまたがり早くも軋む改造内閣

2004年11月号
カテゴリ: 政治
エリア: 日本

「時間がたてば理解が得られると思う。小泉内閣が進めている改革をさらに促進させる意欲を持たないと、なかなか自民党は支持されないのではないか」 トップダウンの小泉流人事への不満がくすぶる東京を後にして、アジア欧州会議(ASEM)首脳会議出席のためハノイ入りした小泉純一郎首相は、十月七日、宿泊先のホテル日航ハノイで行なった同行記者団との懇談で、自民党内の反小泉の動きに牽制球を放った。 改革推進の姿勢と実績を示さなければ、自民党はますます国民の支持を失い、早晩、民主党に政権を奪われかねない。中途半端な年金制度改革が不評を買い、民主党に遅れをとった七月の参院選がいい例ではないか。ここは「党」という大局的な見地に立って協力してほしい――。首相の牽制球はランナーを刺しにいくファストボールではなく、盗塁の気をそぐためだけの山なりボールだった。 党内に秋波を送るように、首相は言葉を継いだ。「若手、中堅、先輩の方々にも改革に対する意欲、情熱を持ってもらわないと、これからの政権運営は難しい」。いつになく弱気なセリフだった。 自身の改革路線に対する強烈な自負と、支持率の陰りがもたらす政権運営の不安。「郵政民営化実現内閣」と銘打って断行した九月二十七日の自民党役員人事と内閣改造が、さして政権浮揚効果を挙げなかったことが後者を増幅していた。

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