インテリジェンス・ナウ
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東・南シナ海の米中情報戦の主役とは

春名幹男
執筆者:春名幹男 2013年2月20日
カテゴリ: 国際 外交・安全保障
エリア: 中国・台湾 北米

 中国海軍艦船が海上自衛隊護衛艦に射撃管制用レーダーを照射した問題。危機一髪の危険な行為だったが、これがまさに、東シナ海を舞台とする「海の情報戦」の典型的な一局面だった。だが、情報戦の主役は中国側のフリゲート艦でもなければ、海上自衛隊の護衛艦でもなかった。

 

レーダー照射は謀略

 それにしても、レーダー照射事件に関する欧米メディアの報道がそっけなかったのに少々驚いた。欧米メディアの編集者が、危険なのは安倍内閣の方であって、中国ではない、という先入観に囚われていたからではないか。現に、1月5日付の英エコノミスト誌は表紙に「日本の危険な内閣」との見出しを付け、本文では安倍内閣に右派政治家が揃っていることなどを伝えた。

 彼らは、日本が先に手を出せば大ニュースになるという感覚だったのだろう。しかし、尖閣諸島問題ではこれまで、中国側の攻勢が続き、冒険主義的と言っても過言ではないほどの激しい言動が目立っていた。

 昨年12月には、尖閣諸島で、中国国家海洋局所属の航空機1機が領空侵犯して航空自衛隊のF15戦闘機8機とE2C早期警戒機1機が緊急発進。さらに1月15日、尖閣諸島で中国機が警告を無視して領空侵犯を続けた場合、日本は警告弾を発射する方針、との報道もあり、緊張が高まっていた。

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執筆者プロフィール
春名幹男
春名幹男 1946年京都市生れ。大阪外国語大学(現大阪大学)ドイツ語学科卒業。共同通信社に入社し、大阪社会部、本社外信部、ニューヨーク支局、ワシントン支局を経て93年ワシントン支局長。2004年特別編集委員。07年退社。名古屋大学大学院教授を経て、現在、早稲田大学客員教授。95年ボーン・上田記念国際記者賞、04年日本記者クラブ賞受賞。著書に『核地政学入門』(日刊工業新聞社)、『ヒバクシャ・イン・USA』(岩波新書)、『スクリュー音が消えた』(新潮社)、『秘密のファイル』(新潮文庫)、『スパイはなんでも知っている』(新潮社)などがある。
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