中国艦のFCSレーダー照射と今後の「治療方針」

柳澤協二
執筆者:柳澤協二 2013年2月20日
カテゴリ: 外交・安全保障
エリア: 中国・台湾

 政府は、中国の艦艇が、東シナ海で海上自衛隊の護衛艦「ゆうだち」にFCS(Fire Control System;射撃管制システム)レーダーの電波を照射した事実を公表した。FCSレーダーを照射することは、相手を狙っていることにほかならず、場合によっては相手の反撃を正当化する危険で愚かな行為だ。かつて、イラクの飛行禁止措置を監視していた米・英空軍機が、地上から防空ミサイルの照射を受けてミサイルサイトを爆撃したのも、これとおなじ理屈だった。

 中国海軍は、これまでも、ヘリを護衛艦に近づけ、米空母の直前で潜水艦が急浮上するなど、ルール無視の行動をとってきたが、今回の事例は常識的に一線を超えていた。これを自制させるためにも、事実を公表したことは適切な措置だ。

 一方、中国は、3日間の沈黙の後、事案を事実無根として日本を非難する「逆切れ」の対応に出てきた。3日間沈黙したことは、党中央が事実確認に手間取り、対応に苦慮したことを物語っている。

 そこから読み取れる「情報」を考えてみよう。1つには、今回の事例は、党中央の意思ではなかったということだ。2004年11月の潜水艦による日本領海侵犯についても、北京は2日間沈黙していた。

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執筆者プロフィール
柳澤協二
柳澤協二 国際地政学研究所副理事長。1946年東京都生れ。70年東京大学法学部卒業後、防衛庁入庁。長官官房長、防衛研究所所長などを歴任。2004年4月から09年9月まで官房副長官補。
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