インテリジェンス・ナウ
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危険極まりないテロ情報の「選挙利用」

春名幹男
執筆者:春名幹男 2004年11月号
カテゴリ: 国際 金融
エリア: 北米

 相次ぐ放言や失言で物議を醸す、民主党大統領候補ジョン・ケリー上院議員の妻、テレーザさん。第一回テレビ討論を翌週に控えた九月二十二日、遊説先のアリゾナ州ビルトモアで、ブッシュ大統領を挑発するような発言をした。「来月(十月)、彼が現れても私は驚かない」 彼とは国際テロ組織、アル・カエダを率いるオサマ・ビン・ラディンのこと。十一月二日の大統領選の直前に、ビン・ラディンが捕まる可能性があるというのだ。 大統領選挙投票日が迫る十月はオクトーバー・サプライズの季節。両陣営は、勝利に直結するような策略を考える。ビン・ラディンが捕まれば、ブッシュ大統領の勝利は確実、とも予測されている。 昨年十二月、サダム・フセイン元大統領が逮捕された直後から約三週間、ブッシュ大統領の支持率は急上昇した。パキスタンでは「オマル師(タリバン前政権最高指導者)はムシャラフ大統領の家に住んでいる」という“小話”さえある。ブッシュ大統領が苦戦したら、ムシャラフ大統領はオマル師の身柄を米側に差し出し、ブッシュ氏を勝たせるというのだ。 選挙前には(1)ビン・ラディンが捕まる可能性、(2)イラク情勢が不透明なこと、(3)米国内で大規模なテロが起きる可能性がある――という三つの不確定要素がある。

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執筆者プロフィール
春名幹男
春名幹男 1946年京都市生れ。大阪外国語大学(現大阪大学)ドイツ語学科卒業。共同通信社に入社し、大阪社会部、本社外信部、ニューヨーク支局、ワシントン支局を経て93年ワシントン支局長。2004年特別編集委員。07年退社。名古屋大学大学院教授を経て、現在、早稲田大学客員教授。95年ボーン・上田記念国際記者賞、04年日本記者クラブ賞受賞。著書に『核地政学入門』(日刊工業新聞社)、『ヒバクシャ・イン・USA』(岩波新書)、『スクリュー音が消えた』(新潮社)、『秘密のファイル』(新潮文庫)、『スパイはなんでも知っている』(新潮社)などがある。
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