「どこに住まう、どこに帰る」 震災3年目の課題は重く

寺島英弥
執筆者:寺島英弥 2013年2月26日
エリア: 日本

 大震災発生以来3度目の「3月11日」を前に、このところ河北新報の紙面に、被災地への帰還をめぐる厳しい状況を伝える記事が続いた。

 まず、2月14日の記事。福島第1原発事故で全町避難が続く福島県浪江町が、津波で家を失う二重被災に遭った住民に帰還の意向を聴いたところ、「戻らない」が41.7%、「分からない」が34.1%で、「戻る」は23.7%(599世帯対象、回答率57.9%)。戻らない理由は「原発への不安・不信」、次に「新しい場所で生活を始めている」で、「『戻らない』の割合が予想以上に高く、がっかりした。原発からの距離が近いことや、早めに踏ん切りをつけて新生活に移行した人が多いのが要因か」という馬場有町長の談話が載った。

 2月9日には、同じく避難区域の富岡町で、復興庁が行なった全町民の意向調査(18歳以上、回答率57.9%)の記事。「町に戻りたい」は15.6%にとどまり、2011年末に町が独自に調査した時の「帰町したい」63.6%から大きく変わった。「放射線量が下がらず、町民の帰還意欲が低下している。町が『5年間帰れない』と宣言したのも影響した」というのが富岡町の受け止め方だった。

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執筆者プロフィール
寺島英弥
寺島英弥 河北新報編集委員。1957年福島県生れ。早稲田大学法学部卒。東北の人と暮らし、文化、歴史などをテーマに連載や地域キャンペーン企画に長く携わる。「こころの伏流水 北の祈り」(新聞協会賞)、「オリザの環」(同)、「時よ語れ 東北の20世紀」など。フルブライト奨学生として2002-03年、米デューク大に留学。主著に『シビック・ジャーナリズムの挑戦 コミュニティとつながる米国の地方紙』(日本評論社)、『海よ里よ、いつの日に還る』(明石書店)。3.11以降、被災地における「人間」の記録を綴ったブログ「余震の中で新聞を作る」を更新中。
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