米民主党の支持基盤「環境保護団体」とパイプライン建設問題

足立正彦
執筆者:足立正彦 2013年2月25日
カテゴリ: 環境・エネルギー
エリア: 北米

 始動して1カ月以上が経過した第2期オバマ政権は、エネルギー政策に関する1つの重要な政治判断を今四半期(1月-3月期)中に下すことを迫られている。それは、キーストーンXLパイプライン建設プロジェクトの承認問題である。カナダ西部アルバータ州のオイルサンドから抽出される重質油を、イリノイ州、オクラホマ州、テキサス州の各精製施設まで輸送する総額70億ドル、全長3,456kmのパイプライン建設プロジェクト。同プロジェクトはカナダと国境をまたぐために、審査及び最終判断は国務省に委ねられており、同省は間もなく最終決定を下すことになっている。

 

「政治的配慮」で最終判断先送り

 日量70万バレル以上のカナダ産重質油を米国に輸送することになる同プロジェクトは、実は、昨年中に最終決定が下されることになっていた。ところが、ネブラスカ州西部にあるオガララ帯水域のサンド・ヒルズ地域を通過することに対し、水源地帯となっている同地域が汚染されかねないとの反対運動が、環境保護団体や州議会議員などから起こった。大統領選挙を5カ月後に控えた昨年6月、国務省は反対運動を理由に、連邦議会により義務付けられた期限内に徹底調査を実施しプロジェクトに対する最終判断を下すことは困難として、最終判断を2013年第1四半期に先送りする決定を行なった経緯がある。

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執筆者プロフィール
足立正彦
足立正彦 住友商事グローバルリサーチ シニアアナリスト。1965年生れ。90年、慶應義塾大学法学部卒業後、ハイテク・メーカーで日米経済摩擦案件にかかわる。2000年7月から4年間、米ワシントンDCで米国政治、日米通商問題、米議会動向、日米関係全般を調査・分析。06年4月より現職。米国大統領選挙、米国内政、日米通商関係、米国の対中東政策などを担当する。
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