ヤマト運輸と衝突する郵政公社「独占」主義者になった生田総裁

執筆者:喜文康隆 2004年11月号
カテゴリ: 経済・ビジネス

「しかしこの経済機構が、政府によって手直しできるという思想ほど危険なものはない」(ヘンリー・フォード『藁のハンドル』)     * 宅急便のヤマト運輸は九月二十八日、郵政公社が大手コンビニエンスストア「ローソン」を取扱い窓口として始める予定の郵便小包「ゆうパック」が独禁法上の不当廉売に当たるとして、東京地裁に提訴した。 ヤマト運輸の提訴の理由は、郵政公社がローソンに対して「郵便局舎を実勢より安く賃貸」し、「不当利益の提供によりローソンにゆうパックを取り扱うように勧誘」しているというものである。 徹底した反官僚路線を貫き、宅急便を国民的サービスにまで育て上げたヤマト運輸と、小泉首相が構造改革の総仕上げとして分割民営化に執着する郵政公社。二つの巨大組織が、「消費者のための正義」はどちらにあるかをめぐってぶつかり合うことになった。 ヤマト運輸をここまでの会社に仕立て上げた中興の祖、小倉昌男元会長は、日本で最も尊敬されている経営者のひとりであり、日本の規制緩和の象徴である。一方、郵政公社の生田正治総裁も、商船三井を日本のナンバーワン海運会社に育て、経済同友会が送り込んだ自由化のシンボルだ。さらに、郵政公社と組んで新サービスを相次いで打ち出すローソン社長の新浪剛は、二年前、四十三歳の若さで三菱商事からローソンの社長に転身し、同社の経営に辣腕をふるうニュー世代のリーダーである。

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