「シリア反政府勢力」への「最新鋭武器供与」が動き出した

執筆者:畑中美樹 2013年2月28日
カテゴリ: 国際 外交・安全保障
エリア: 中東

 シリア反政府勢力の戦闘部隊の司令官たちによれば、彼らが心待ちしていた最新鋭武器類が2013年1月に入ってトルコ経由で手元に届き始めている。これら武器類には、肩掛け式地対空ミサイルやその他可動式対空兵器、ロケット発射装置、迫撃砲などが含まれる。

 こうした最新鋭武器類をシリア反政府派のために調達した外国政府は、これら武器類の前線部隊への供与は、アル・カイダ系を含む各戦闘部隊の動きを管理・制御することができる司令部経由で行なわれるよう注文を付けているという。このため一部の戦闘部隊の中には、自分たちの作戦に関与される可能性もあることを嫌って、武器類の受け取りを拒否するところも出てきているようだ。とりわけ最前線でシリア政府軍と戦い成果を挙げている部隊ほど反発が強いようだ。

 同時に、外国から「過激派」との疑惑を持たれることもあるイスラム系の戦闘員たちは、援助国が自由シリア軍や穏健派イスラム戦闘部隊を前面に立てて自分たちと対峙させようとしているのではないかとの恐れを持ち始めている。特に、シリア政府軍と互角以上の戦いをしてきた「ジャブハト・アル・ヌスラ(ヌスラ戦線)」や「アフラル・アル・シャム・イスラム運動」といった勢力が、そうした懸念を強く抱いている。

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執筆者プロフィール
畑中美樹 1950年東京都生れ。慶應義塾大学経済学部卒業。富士銀行、中東経済研究所、国際経済研究所、国際開発センター エネルギー・環境室長などを経て現職。中東・北アフリカ地域で豊富な人的ネットワークを有する。著書に『石油地政学――中東とアメリカ』(中公新書ラクレ)、『オイルマネー』(講談社現代新書)、『中東湾岸ビジネス最新事情』(同友館)などがある。
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