「医者がくれる麻薬」に漬かるアメリカ

執筆者:ルイーズ・ブランソン 2004年11月号
エリア: 北米

チェイニー副大統領の主治医やマケイン上院議員夫人も苦しんだ処方薬依存。日本にも鎮痛薬依存者は少なからずおり、他人事ではない。[ワシントン発]チェイニー米副大統領の主治医ゲアリー・マラコフは、長年にわたり政界エリートたちから最も尊敬される医師の一人であった。だが、もはや過去の栄光。先頃、突然、その任を解かれてしまったのだ。なぜか? 全米に何百万人といる処方薬乱用者の一人に彼が名を連ねることになったからだ。薬は強くなる一方で、気づいたときには完全な依存状態だった。そして今では、チェイニーの元主治医は、アメリカが直面する新たな薬物依存問題の象徴的存在となっている。

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執筆者プロフィール
ルイーズ・ブランソン(るいーずぶらんそん) イギリス出身。英『サンデー・タイムズ』紙モスクワ支局長を経てフリーランスに。米『ワシントン・ポスト』紙元モスクワ支局長で夫のダスコ・ドーダー氏との共著に『ミハイル・ゴルバチョフ』『ミロシェビッチ――暴君のポートレイト』がある。
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