移民大陸・欧州に学ぶ イギリスの若いイスラム教徒が過激化する理由

執筆者:マイケル・ビンヨン 2004年11月号
カテゴリ: 国際
エリア: ヨーロッパ

過激派の増加は、穏健なイスラム教徒の立場も危うくさせている。どうすれば歯止めがかけられるのか。[ロンドン発]毎週金曜日、イギリスのモスク(イスラム教寺院)では異様な光景が繰り広げられる。説教壇に立つ導師の大部分はパキスタンかサウジアラビア出身者で、その多くが西側諸国を非難糾弾し、大勢の信徒を前に、「聖戦」を開始せよ、トニー・ブレアとジョージ・ブッシュを倒せ、イラクに駐留するイギリス軍を暴力とテロで脅し上げよ、と説いているのだ。 イギリスでは比較的穏健な宗教的マイノリティだったムスリム(イスラム教徒)の一部は、この種の導師たちに煽られて、突如として過激な集団に変貌しようとしている。こうした事態に、中東のみならずイギリス国内でも、反米・反英感情を募らせるイスラム教徒が暴発するのではないかと、イギリス政府は懸念を深めつつある。 現在、イギリスに永住権を得て住んでいるムスリムは、約二百万人にのぼる。大部分はインド、パキスタン、バングラデシュなどからの移民で、一九六〇年代から七〇年代にかけて、職を求めてイギリスに渡ってきた人々だ。イングランド中部のレスターやバーミンガムといった都市では、いまや非白人が過半数を占め、北部のブラッドフォードや南東部のルートンなどの都市では、ムスリムの過激派が暴動や非ムスリムへの攻撃を煽っている。

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