移民大陸・欧州に学ぶ 後手後手に回る日本の「移民政策」

執筆者:堀田昌之 2004年11月号
カテゴリ: 社会
エリア: 日本

政府は立ち止まり、現実だけが前進した結果、外国人労働者政策は予盾に充ち満ちている。 九月二十一日、バングラデシュ人男性八人が、東京入国管理局に集団出頭した。いずれも十四年以上、最長で十八年間超過滞在しており、「強制送還されても自国で生活を再建することは困難。慣れ親しんだ日本にいたい」と在留特別許可を求めている。在留特別許可とは、強制送還されるべき不法入国、不法在留の外国人に対し、法務大臣の裁量で特別に滞在を許可する制度だ。法務省が制度を積極的に運用する方針を打ち出した矢先の出頭だった。 これまで在留特別許可を認められたのは、滞在中に結婚して子供がいるといったケースが多い。数も年々増加し、一九九八年の約二千五百人が二〇〇三年には一万三千人を超えた。ただ、八人はいずれも単身者。単身者にも認めるかどうか、法相の判断に注目が集まっている。 出頭した八人は、神奈川県や千葉県に住んで建設現場やクリーニング工場などで長年働き、職場では現場の指揮を任されていたという。外国人による凶悪犯罪が増加して風当たりが強まる一方で、不法在留でも、大半の外国人は真面目に働きながら暮らしている。今回の集団出頭は、この事実を改めて世に知らしめた。

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