なりふり構わぬ中国にメジャーのドライな視線

2004年11月号
カテゴリ: 国際 経済・ビジネス
エリア: 中国・台湾

 中国企業との合弁エネルギー事業から、メジャー(国際石油資本)が撤退する動きが相次いでいる。八月に米エクソンモービルと英蘭ロイヤルダッチ・シェルが、中国大陸を横断する天然ガスパイプライン「西気東輸」から撤退。九月末にはシェルと米ユノカルが上海の南東五百キロにある東シナ海・西湖の油田開発から撤退した。メジャーの力を借りてエネルギー確保を進めたい中国と、中国市場に狙いを定めるメジャー。その利害は大枠では一致するものの、両者には採算性をめぐる考えに大きな隔たりがある。 二〇一〇年の石油需要が二〇〇三年の約二倍に拡大するとの予測もある中国にとって、エネルギー確保は国家安全保障上の最重要課題。昨年末に行なわれた中東のある油田開発権益の入札では、中国石油(ペトロチャイナ)が相場の十倍で値付けするとの情報が流れ、「勝負にならない」(日本の商社)と判断した日米欧の石油企業は早々に手を引いた。 こうしたなりふり構わぬ姿勢にメジャーはドライな目を向ける。西気東輸の場合、中国側のペトロチャイナがメジャー一社当たりの権益を一二%以下と主張したのに対し、メジャーは一五%の権益確保を求めた。中国側の弾いたプロジェクトの採算見通しは甘すぎるとして、より大きな見返り(権益)を求めた格好だ。西湖の場合もメジャーは撤退の理由を「商業的理由」と説明している。中国側の中国石油化工(シノペック)は「まことに遺憾」とのコメントを発表した。

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