政治をゼロから考える
政治をゼロから考える(16)

地方分権の意義とはなにか

宇野重規
執筆者:宇野重規 2013年3月11日
カテゴリ: 政治
エリア: 日本

質問 「地方分権は必要でしょうか」

 

 地方分権は大切です。このことは間違いないのですが、それではなぜ大切なのかというと、ちょっと困るかもしれません。

 なるほど、それぞれの地域のことは、そこに暮らす人々が決めるべきでしょう。同じ政府といっても、中央政府がすべてを決めるのではなく、より身近なところにある政府(地方政府)に権限を委ねた方が、より実情にあった政策を実行できるはずです。

 とはいえ、逆に地方政府に不信感をもつ人もいるかもしれません。その時々の首長(知事や市町村長)や議会は、何をするかわからない。妙な決定をされると大変なことになる。やはり、全国的に共通の基準があった方がいいという声も耳にすることがあります。

 

地方分権が徹底しているアメリカ

 ここでは、現在のアメリカを例にとって考えてみましょう。地方分権という意味では、アメリカはもっとも徹底した国の1つです。そもそもアメリカの国名はThe United States of Americaですから、構成する1つひとつの州が文字通り国家(state)というわけです。歴史的にいっても、州の方が連邦に先立って生まれており、各州政府の権限の一部が限定的に連邦政府に委ねられたに過ぎません。

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執筆者プロフィール
宇野重規
宇野重規 1967年生れ。1996年東京大学大学院法学政治学研究科博士課程修了。博士(法学)。東京大学社会科学研究所教授。専攻は政治思想史、政治哲学。著書に『政治哲学へ―現代フランスとの対話』(東京大学出版会、渋沢・クローデル賞ルイ・ヴィトン特別賞)、『トクヴィル 平等と不平等の理論家』(講談社、サントリー学芸賞)、『〈私〉時代のデモクラシー』(岩波新書)、共編著に『希望学[1]』『希望学[4]』(ともに東京大学出版会)などがある。
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