「我慢とバランス」のインド2013年度予算

執筆者:山田剛 2013年3月13日

 2月末に発表されたインドの2013年度(13年4月-翌3月)連邦予算は、来年春に総選挙を控えている割には選挙前恒例の「バラマキ」「人気取り」を最小限に抑え、農民や貧困層、被差別カースト、さらには女性や若者への配慮も忘れず、その上でこまかく税収増も図っている。選挙も意識しつつ、成長と財政再建のバランスを目指した、いわば玄人受けの予算、と言っていいかもしれない。産業界の一部、特にまったく支援策がなかったばかりか、関税や物品税が引き上げられた自動車業界からはぼやき節も出ているが、大手・外資系企業が政策に不満を抱くのはある意味いつものこと。自動車や家電などの花形業界は特段の支援がなくても成長できる、と思われている側面は否定できない。

 今回の予算、インド経済全体にとってみればそれほど悪くない内容だろう。

重点分野に手厚い予算配分

 インド政府が毎年2月に発表する新年度予算案は、単に金の使い道を発表するだけではなく、その1年間にどういう経済改革や産業支援、そして国民生活基盤の整備を実施するかという、いわば政策メニューのお披露目としての役割が大きく、内外のビジネス関係者、エコノミストから非常に高い注目を集めている。

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執筆者プロフィール
山田剛 日本経済研究センター主任研究員。1963年生れ。日本経済新聞社入社後、国際部、商品部などを経て、97年にバーレーン支局長兼テヘラン支局長、2004年にニューデリー支局長。08年から現職。中東・イスラム世界やインド・南アジアの経済・政治を専門とする。著書に『知識ゼロからのインド経済入門』(幻冬舎)などがある。
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