原油高騰の最中に楽観論のみ語る罪深さ

執筆者:小田博利 2004年11月号

原油高でも大丈夫? その悪影響は「エネルギー効率向上」だけでは除けない。中国の資源戦略、ヘッジファンドの荒稼ぎ。そして、楽観する日本の近視眼……。 書店にうず高く積まれた「預金封鎖」本の真実味を増すような、奇怪な事件である。十一月から使用が始まる新千円札の試し刷りが、インターネットの「ヤフーオークション」で競売にかけられようとは。 十月七日付の『朝日新聞』朝刊が報じたのを機に、購入希望価格が九十九億円台に跳ね上がり、回線がパンク状態になったことで、ヤフーはこの入札を取り下げた。「オークション(b54878473)にアクセスできませんでした」――。その番号を探して試しにアクセスしてみると、商品を慌てて棚から引っ込めたのをうかがわせる、こんな文句が記してあった。 第一報によれば、出品者は中国・上海市に住む紙幣コレクターの男性。「上海市の業者から買った。業者は、中国沿岸部の粗大ごみ業者から手に入れたと話していた」と説明している。誰がそんな話を信じよう。 二十年以上も前に、タクシー運転手が一億円を拾って、話題になったことがあった。株の仕手戦の資金ではとか、ヤクザの金ではとか、様々な憶測が飛び交ったものだが、今回の事件の奇怪さは比較にならない。

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