経済の頭で考えたこと
経済の頭で考えたこと(57)

中国「一党独裁」ではなぜ経済発展が望めないのか

田中直毅
執筆者:田中直毅 2013年3月18日
エリア: 中国・台湾

 中国は全人代(全国人民代表大会)で今後5年の経済政策の実施責任者群を公表した。しかし、この期間の経済状況の推移の予測に自信を持つ幹部が、中国首脳部の中に果たしているのだろうか。共産党の支配が社会の隅々にまで及ぶ体制のまま、グローバル経済の荒波を乗り切ることなど、本来は「無謀」ともいうべき暴挙である。この「無謀」のゆえを以下、論じてみたい。

 

脇に追いやられた民有企業

 3月14日、中国・北京の人民大会堂で、国家主席に選ばれた後、前任の胡錦濤氏(左)と握手する習近平氏 (C)AFP=時事
3月14日、中国・北京の人民大会堂で、国家主席に選ばれた後、前任の胡錦濤氏(左)と握手する習近平氏 (C)AFP=時事

 中国経済の今後の動向について、世界のマクロ経済学者が注目しているのは、中国における技術革新の実施体制づくりである。

 経済成長の内実については、(1)資本の追加投入、(2)労働の追加投入、(3)技術革新など生産性向上要因、という3つの要素から分析する手法が一般的だ。

 中国の先行きで明瞭なのは、このうち2番目の労働投入。これはすでに頭打ちとなり、今後は減少する。この点については誰一人として異議を唱える者はいない。

 次に1番目に挙げた要素である、資本の追加投入については、政府と民間とを区別して分析すべきである。経済全体の中で政府や国有企業の比重が民有企業よりも重い「国進民退」という状況は、4兆元の財政出動を行なった2009年以降の基本図式となっている。

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執筆者プロフィール
田中直毅
田中直毅 国際公共政策研究センター理事長。1945年生れ。国民経済研究協会主任研究員を経て、84年より本格的に評論活動を始める。専門は国際政治・経済。2007年4月から現職。政府審議会委員を多数歴任。著書に『最後の十年 日本経済の構想』(日本経済新聞社)、『マネーが止まった』(講談社)などがある。
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