死後も飛び交うアラファト氏エイズ説

2004年12月号
カテゴリ: 国際
エリア: 中東

 故アラファト議長をめぐっては、病名についても憶測が乱れ飛んでいる。噂された白血病説はフランスのペルシー軍病院に緊急入院した後に否定されたものの、死後も病名は明かされていない。要人の死因が極秘にされるのは珍しくないが、パレスチナ自治政府の要人ですら当初は見舞いを拒否されていた状況は異様といえる。 そうした中で流布されているのがアラファト議長のエイズ説。米ブッシュ大統領のスピーチライターだったデイビッド・フラム氏もエイズ説を唱える一人だ。同氏によれば、「ルーマニア・チャウシェスク政権の情報局副長官が執筆した回顧録を基に、KGB(旧ソ連国家保安委員会)がアラファトを同性愛者だと指摘している」。わざわざフランスの軍病院を選んだのは、同国なら秘密を暴露しないと考えたとも解説している。 イスラム社会では同性愛は重大な戒律違反。それだけに、アラファト氏が死後もアラブ・イスラム世界の英雄であり続けることを好まない勢力が偽情報を流した可能性は否定できない。パレスチナ独立以外はすべて手に入れたとされるアラファト氏だが、安らかに眠る権利も得られなかったようだ。

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