ロシア軍機、相次ぐ対日挑発の謎

名越健郎
執筆者:名越健郎 2013年3月19日
カテゴリ: 国際 外交・安全保障
エリア: ロシア 中国・台湾

 ロシアの爆撃機が3月15日、日本列島を周回し、航空自衛隊の戦闘機が緊急発進した。2月7日にもロシア軍戦闘機が北海道・利尻島南西沖を侵犯。2月9日にはロシアのIL38哨戒機が日本海上空で日本領海に異常接近しており、ロシア軍の対日挑発活動が活発化している。

 一連の動きは、安倍晋三首相の4月末のロシア公式訪問を控えた日露関係改善の動きと逆行する。特にロシアは日本との安保協力を求めているだけに、日本側もロシア軍の真意を計りかねているようだ。モスクワと極東の意思の乖離もみられる。

 ロシア軍機の日本領空侵犯は、2008年2月に伊豆諸島南部を領空侵犯して以来5年ぶり。今回侵犯したのはスホイ27シリーズの改良型スホイ27-SM戦闘機2機とされるが、同機は新型航法システムを搭載し、位置把握能力が高い。軍事専門家は「旧来型のスホイなら誤操縦の可能性もあるが、改良型は位置把握能力が高く、パイロットは自機の位置を正確に掌握していたはず」と指摘した。とすれば、意図的な侵犯行為となる。

 2月7日は「北方領土の日」で、東京で安倍首相が参列して返還要求式典が行なわれていた。ロシア軍は当時、北方領土を含む極東で陸海空軍の兵員1000人規模の軍事演習を実施中で、明確な意図があったはずだ。

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執筆者プロフィール
名越健郎
名越健郎 1953年岡山県生れ。東京外国語大学ロシア語科卒業。時事通信社に入社、外信部、バンコク支局、モスクワ支局、ワシントン支局、外信部長を歴任。2011年、同社退社。現在、拓殖大学海外事情研究所教授。国際教養大学東アジア調査研究センター特任教授。著書に『クレムリン秘密文書は語る―闇の日ソ関係史』(中公新書)、『独裁者たちへ!!―ひと口レジスタンス459』(講談社)、『ジョークで読む国際政治』(新潮新書)、『独裁者プーチン』(文春新書)など。
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