ドイツにのしかかる統一「十五年目」の重み

2004年12月号
カテゴリ: 国際
エリア: ヨーロッパ

いまだに経済的自立を果たすことができない旧東独地域。再建事業を放棄したかに見えるシュレーダー政権の視線は別の方向に……。[ベルリン発]「Wir Sind Das Volk!(我々はれっきとした国民だ!)」 今年の短い夏が終わるころ、十五年前にベルリンの壁を突き崩すひとつの力となった旧東独ライプチヒの「月曜デモ」が、新連邦州と名を変えた旧東独各地で復活した。参加者は減りつつあるものの、今も続いている。市民の抗議の矛先が向けられたのは、かつての社会主義統一党(SED)の専制ではなく、今回はゲアハルト・シュレーダー首相率いる中道左派連立政権の社会保障削減策だった。「今度のデモには、デモが非合法だった時代に、敢えて通りに出た人々の切実さや緊張感はない。むしろ市民の甘えが見え隠れし、政治家の宣伝の道具になった感さえある」。ニコライ教会を人々の交流と対話の場として開放し、“元祖・月曜デモ”の生みの親となったクリスチャン・フューラー牧師(六一)は、同じ「月曜デモ」として対比されるのが迷惑、とでも言いたげな表情をした。 しかし、世論動向に敏感な「大衆政治家」のシュレーダー首相にとっては、大衆に反旗を翻されたことは、少なからずショックだったはずだ。しかも、ドイツ統一後の旧東独再建策が今も実を結んでいない、いや、むしろ誤りだったと、精算書を突きつけられたも同然だった。

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