腐敗の温床「中国鉄道省」は本当に解体できるか

執筆者:高村悟 2013年3月27日
カテゴリ: 国際 経済・ビジネス
エリア: 中国・台湾
 鉄道省解体は表面だけ?(全人代での李克強首相=左=と習近平総書記)(c)時事
鉄道省解体は表面だけ?(全人代での李克強首相=左=と習近平総書記)(c)時事

 毎年3月の前半に開かれる中国の全国人民代表大会(全人代)は日本のメディアでは「日本の国会に相当する」と説明されるが、実態は国会とは似ても似つかぬ会議だ。議案は採決にかけられるが「圧倒的賛成多数」で可決されることが決まっており、3000人近い代表は民主的決定の装いをするために駆り出されているにすぎない。人事案などで一部の幹部への反対票がかなり出ることがあるが、否決される恐れはまったくない。そうした予定された決議のなかで、今年の全人代で大きな支持を受けたのは鉄道省の解体を柱とする政治機構改革案だった。

 

異色の構造を持つ「独立王国」

 鉄道省は中国の役所のなかでも異色の構造を持っていた。政策や規制を担う部門と、鉄道を建設、運行する現業部門がひとつの機関のなかに置かれていたからだ。自分で自分を律するという奇妙な形は実質的には規制が効かないことを意味し、鉄道省はある意味でやりたい放題の独立王国になっていた。そうした力を持つに到ったのは1949年に新中国が誕生した当初、鉄道が軍事物資や人員の輸送を担い、新政権の国内統治の確立に大きく貢献したことが背景にある。それに加え、予算の乏しい新政権に代わって、鉄道省が自前で資金を調達し、鉄道網を構築していった歴史があり、官庁が現業を持つという別格扱いを受けてきた。

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