「シリアとの関連」で読み解くオバマ中東歴訪――安倍首相もヨルダン訪問を
オバマ大統領のイスラエル・中東訪問は、期待値のバーを下げた中で行なわれた。期待も大きくないかわりに、失望もないという戦略だ。米国内の報道も、どうせ変わらないだろう、というシニカルな見方が多かった。だからといって、今回の訪問が外交的に意味がなかったと考えるのは間違いだ。外交というのは、地道な積み上げが意味を持つこともある。とくにパレスチナ問題のような長期的な難しい問題ではなおそうだ。
今回のオバマ大統領の戦術は、世界が全般的にオバマに好感をもつなか、むしろ人気がないとされるイスラエルとの距離を縮めることだったのだろう。一般のイスラエル人との距離を縮める役割がイスラエルでのスピーチに期待された。やはり関係が良くないとされているネタニヤフ首相との関係改善も重要なテーマであった。オバマ大統領はイスラエルでのスピーチで、これまで以上にイスラエルの安全保障に理解を示し、歴史的な2国間の紐帯を示した。
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