急成長する謎のインド企業「サハラ・グループ」

執筆者:サリル・トリパシー 2004年12月号

家族経営から従業員六万人を擁する巨大コングロマリットに成長した企業だが、その“経営哲学”は宗教がかっており、足元には危うさも……。 インドで最も急速な成長を遂げているコングロマリットのひとつ、「サハラ・グループ」は、ビジネス界の常識が通用しない不思議な企業グループだ。株式市場にも上場しておらず、その主張によれば、単に利益のみを追求するのではなく、“博愛主義”に基づく企業活動を展開しているという。でありながら、その成長ぶりは驚異的だ。 一九七八年のスタート時点では、わずか三人のスタッフと「テーブルと二脚の椅子」だけの家族経営。それが今では、航空、投資信託や保険などの金融サービスや衛星通信、報道、娯楽、インフラ整備、不動産、繊維など、幅広い事業に手を広げる巨大コングロマリットなのだ。「家族」と称される従業員の数は、臨時雇いも含めれば、グループ全体で六万四千人を超え、資産規模は百億ドル以上。もっとも、非上場ゆえに、この数字を検証する術はない。 なお、インド最大の鉄鋼企業「タタ・グループ」の資産は百十億ドルで、七つの中核事業を中心に、八十社の企業を傘下におさめているが、その多くは上場され、検証可能な数字が公表されている。もうひとつの巨大グループ「リライアンス」も上場されており、資産は百六十三億ドル。ちなみに、これはインドの国内総生産(GDP)のおよそ三・二%にあたる。

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