究極の民営化「市場化テスト」の道なき道

2004年12月号
エリア: 日本

「民間にできることは民間へ」 小泉純一郎首相が自らの構造改革路線を説明する時に好んで使うフレーズだが、「究極の民営化」というべき手法が政府内で検討されている。職業紹介や自動車検査などの行政サービスの提供について、官と民が対等な立場で競争入札を行ない、民間の示す価格・サービスが優る場合は業務を委託する「市場化テスト」だ。 従来も、国鉄民営化、民間資金活用による社会資本整備(PFI)、施設管理の委託など民間ノウハウを活用する試みはあったが、個別に法改正や制度設計せざるを得なかった。だが、新法制定も視野に入れた市場化テストは「“各個撃破”ではなく“底引き網”のように多くの官業へ民間参入を促す」(政府関係者)もので、統一的な仕組みを作って「官の砦」を破壊する。 小泉首相は今年九月の内閣改造で新任した村上誠一郎規制改革相に市場化テストの実現を指示し、村上氏も「(十二月上旬頃に予定される)閣僚折衝などを通じて各省を説得したい」と意気込む。 各省庁との調整を進める政府の「規制改革・民間開放推進会議」(宮内義彦議長)は十月、民間企業から提案を募集。募集には、民間の参入意欲がどれだけあるか調べるとともに、省庁の抵抗を抑える狙いがある。今後はヒアリングや閣僚折衝を重ね、十二月上旬までに提案の中から約十項目のモデル事業を選定し、来年度から試行する方針だ。さらに、来年の通常国会で「市場化テスト法」(仮称)も成立させ、二〇〇六年度に施行する。

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