時代に逆行する総務省の「NTT擁護」

2004年12月号
カテゴリ: IT・メディア 政治
エリア: 日本

ジリ貧のNTTは、全国一律の「ユニバーサルサービス」を楯にとり、自社に有利な判断を求めつづけている。 NTT東西地域会社が初めて固定電話基本料金、施設設置負担金の値下げに踏み切った。利用者の固定電話離れを少しでも抑えこみ、銅線ベースの固定電話網を延命することが目的だ。十月一日に発表された料金値下げの詳細は、プッシュホン回線利用料を撤廃し、月額基本料金を住宅用で五十円以上、企業用で百円以上値下げする。通話料も距離によらず一律とした。十一月に入ると、固定電話の新規契約時に必要な施設設置負担金(七万二千円)を半額に引き下げることも明らかにした。固定電話では、これまでも通話料金をめぐって激しい価格競争があったが、基本料と施設設置負担金は一九八五年の通信自由化後も値下げしなかった聖域。そこに手をつけざるを得なかったのは、ソフトバンク、KDDIが相次いで基本料引き下げを可能にする新サービス開始に踏み切ったためだ。「NTT独占の基本料を獲りにいく」 八月末の新サービス「おとくライン」の発表会で、ソフトバンクの孫正義社長は、こう“宣戦布告”した。これまでNTT局舎間はソフトバンク自前の回線網で結び、そこから先でNTTの交換機および利用者宅までの電話線を使ってサービスを提供していたが、「おとくライン」では局舎から利用者宅までの電話線をNTTから借り上げ、局舎には交換機に代わるルーターを自前で設置するため、すべて「自前のサービス」となる。回線料と接続料を節約できるため、基本料を価格競争の対象とすることが可能になった。業界では「直収」といわれるサービスで、二年前に平成電電が始めた当時は大きな影響はなかったが、ソフトバンクに続きKDDIも参入したことによって、NTTは窮地に追い込まれた。

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