中国では知的財産関連の職業がブームである。この十月に行なわれた特許申請の代理人資格を得る国家試験には上海だけで約千六百人が殺到。前回二〇〇〇年の受験者が四百人ほどだから、その人気のほどが窺える。ある中国系電機メーカーの法務担当者は「受かったら転職するよ」と打ち明けた。資格を手に入れて特許代理事務所に就職すれば、有力弁護士なみの高給は堅いとされているのだ。 とはいえ法務担当氏は、どうやら本気ではないらしい。目下、企業側も知財問題に詳しい人材を熱心に集めているからだ。背景には皮肉なことに、中国の知財環境が決して改善されていないという事情がある。例えばブランド品のニセモノである模倣品の摘発件数(商標権侵害)は、一九九八年の一万五千件弱に対して二〇〇三年は二万六千件強。中国が消費市場の性格を強めれば、それだけブランド品の数も増え、すでに日本や欧米メーカーだけでなく、中国メーカーもニセモノに頭を悩ませている。
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