スタート前につまずいたLNG「五カ国連合」構想

執筆者:黒瀬悦成 2004年12月号

世界のエネルギー源として重要度を増す液化天然ガス。その供給安定を謳いインドネシアの大臣が打ち上げた構想が不評を買うワケは――。[ジャカルタ発]東南アジア最大の資源大国インドネシアのエネルギー政策が揺れている。“震源地”は、十月二十一日に発足したユドヨノ新政権で、前のメガワティ政権に引き続きエネルギー・鉱物相の座を確保したプルノモ・ユスギアントロ氏(五三)だ。 石油輸出国機構(OPEC)議長も務めるプルノモ氏は、石油探鉱に使う資材への課税を定めた「石油・ガス法」(二〇〇一年成立)を作って石油メジャーの対インドネシア新規投資を冷え込ませた張本人。このためOPEC加盟国であるはずの同国の原油生産力は年々低下し、二〇〇四年は通年で純輸入国への転落が確実となってしまった。 さらに同氏は、輸出競争力確保に向け、従来の原油依存体質からの戦略転換の柱として重要度を増す液化天然ガス(LNG)分野でも、「取り返しのつかない失策をしでかした」(業界幹部)との批判が沸騰しつつあるのだ。 インドネシアのエネルギー関係者の間で「反プルノモ」の機運が本格化したのは、同氏が今年に入って内外のメディアを通じ、インドネシアと、マレーシア、ブルネイ、カタール、オマーンとでLNG輸出の相互融通体制を築く「五カ国連合」構想を提唱し始めてからだ。

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