「土地改良」と「砂防」が象徴する旧橋本派の凋落

執筆者:山村明義 2004年12月号
カテゴリ: 政治
エリア: 日本

 派閥事務所に初めて家宅捜索が入った日歯連事件、郵政民営化を踏絵にした改造内閣への一本釣り――派閥を切り崩され、求心力が低下する旧橋本派が「さらなる追い打ち」に喘いでいる。「それ」は小泉政権が二〇〇三年六月にはじめた三位一体改革に端を発する。国から地方への補助金削減と、国会議員の権限が及ばない地方交付税交付金への統合は、旧橋本派が政治力を発揮する「戦場」を失うことを意味した。 かつて自民党は、傘下の業界団体に補助金分配を行なう権益をパワーの源泉としてきた。とりわけ「旧橋本派の牙城」と呼ばれた全国土地改良事業団体連合会(土改連=野中広務会長)と、治山治水を目的とした砂防事業を調整する社団法人の全国治水砂防協会(砂防協会=綿貫民輔会長)の両団体にとって、三位一体改革による補助金削減は死活問題となっている。 八月二十四日、全国知事会などが、約三兆二千億円の補助金を削減し交付金として税源移譲する案を発表。土改連事業関係の農村整備事業費は、来年度の概算要求から約千六百億円が二年以内の移譲対象に。国庫補助金の約三割減にあたる額だ。「牙城」に手を掛けられた旧橋本派は、ついに十月十四日の派閥総会で小泉首相への攻撃を明確に打ち出した。

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