胡錦濤が日本にも関わるある“軌道修正”を始めた矢先に事件は起こった。だが、その後の対応はなかなかにしたたかだ。「新潟県中越地震と中国の原子力潜水艦の領海侵入事件の“共通項”はなにか」。日米防衛交流や防衛庁内部の動きに詳しい日本政府筋が、奇妙なナゾをかけてきた。 想像もつかない。ヒントを乞うと、「対潜哨戒機P3Cがキーワード」だという。十一月十日に起きた中国原潜事件の探知・追跡にP3Cが大活躍したのは知っているがと、なおも首をひねっていると、手もとのパソコン画面の防衛庁ホームページを指し示された。中越地震当日の十月二十三日十八時五十七分、ヘリに続きはやばやと海上自衛隊のP3Cが厚木基地を飛び立っていたのだ。
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