いままた強くなるスイスフラン

執筆者:石山新平 2005年1月号
エリア: ヨーロッパ

ユーロ導入後もしっかりと生き残ったスイスフラン。逃避通貨としての役割はさらに高まり、周辺国のマネーを吸い寄せる。[チューリヒ発]独立国家が他国のために税金を徴収する――。そんな歴史上稀有な税制がスイスで始まることが固まった。 十月二十六日、ルクセンブルクでスイスと欧州連合(EU)との間の協定が調印された。人やモノの往来などでスイスがEU加盟国に近い扱いを受けることになるこの協定の最大の争点は、スイスの銀行の強さの源泉とも言われる「銀行秘密」をスイスが守り通せるかどうか。高税率を嫌ってスイスに逃れる居住者の資金を把握したいドイツなどEU諸国は、スイスに銀行秘密の撤廃を要求してきたが、スイスはかたくなに拒み続けていた。その妥協の産物として生まれることになったのが、二〇〇五年七月にも導入される世にも不思議な「利子課税」だ。 新しい課税の仕組みはこうだ。EU居住者がスイスの銀行に預金を持っていて金利が発生した場合、スイスの銀行は利息から課税分を源泉徴収する。そしてその税収入の七五%を口座を持つ人の居住国に配分、二五%をスイスの税収とする。利子課税からの税収を還元する代わり、口座の情報は一切提供しない。

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