鮮烈な刺激を受けた羽生善治さんとの対話

執筆者:梅田望夫 2005年1月号
カテゴリ: IT・メディア

 数カ月前からお互いのスケジュールを調整して、十一月の東京出張中、久しぶりに将棋の羽生善治さんと食事をした。羽生さんは、ただ将棋が強いという人ではなく、物事の本質を常に考えていて、それを言葉にする能力に優れた人だ。だからいつも新しい発見があり、議論が深くなる。 羽生さんと私の専門・関心の接点に位置するテーマは、「IT(情報技術)やインターネットが将棋に及ぼす影響・変化」、「コンピュータの進化による社会構造や人間の役割の変化」であり、今回も議論はおのずからそのあたりに収斂していった。「ITとインターネットの進化によって将棋の世界に起きた最大の変化は、将棋が強くなるための高速道路が一気に敷かれたということです。でも高速道路を走り抜けた先では大渋滞が起きています」

カテゴリ: IT・メディア
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執筆者プロフィール
梅田望夫(うめだもちお) 1960年東京都生れ。94年渡米、97年コンサルティング会社ミューズ・アソシエイツを起業。著書に『ウェブ進化論』(ちくま新書)、『ウェブ時代をゆく』(同)、『ウェブ時代 5つの定理』(文藝春秋)、『ウェブ人間論』(共著、新潮新書)など。メジャーリーグの野球、そして将棋の熱烈なファン。
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