政治をゼロから考える
政治をゼロから考える(19)

司法権は「1票の格差」を解消できるか

宇野重規
執筆者:宇野重規 2013年5月1日
カテゴリ: 政治
エリア: 日本

質問 「司法権の範囲はどこまで及ぶのでしょうか」

 

 ご質問をいただきました。最近1票の格差についての違憲判決が問題になっていますが、そもそも司法権の範囲はどこまで及ぶべきかという内容です。

 ここのところ、各地の裁判所による選挙の無効判決が続いています。結果として、衆議院の選挙制度を抜本的にあらためるか、それとも格差解消のためにとりあえず「0増5減」を先行させるかが、目下の政局の争点になっています。

  とはいえ、「裁判所が選挙の無効判決を下すということは、はたして無批判に受け入れるべきものなのでしょうか」。質問者の方はそう問いかけます。というのも、「無効となれば当然国政は混乱し、その影響は国民全般に及ぶわけですが、司法がその責任をとることはできない」からです(一部、字句を修正しました)。影響力の大きさを考えれば、司法権の及ぶ範囲にも限界があってしかるべきというご意見は、もっともであると思われます。  

 

「憲法の番人」としての裁判所

 現在の日本では、選出される国会議員1人あたりの人口が選挙区によって違い、人口が少ない選挙区の有権者ほど1票の重みが増すという状態が続いています。これでは憲法14条に規定された「法の下の平等」の原則に反しているとして、訴訟が続いていることは、よく知られている通りです。

この記事は役に立ちましたか?
フォーサイト最新記事のお知らせを受け取れます。
この記事をSNSにシェアする
執筆者プロフィール
宇野重規
宇野重規 1967年生れ。1996年東京大学大学院法学政治学研究科博士課程修了。博士(法学)。東京大学社会科学研究所教授。専攻は政治思想史、政治哲学。著書に『政治哲学へ―現代フランスとの対話』(東京大学出版会、渋沢・クローデル賞ルイ・ヴィトン特別賞)、『トクヴィル 平等と不平等の理論家』(講談社、サントリー学芸賞)、『〈私〉時代のデモクラシー』(岩波新書)、共編著に『希望学[1]』『希望学[4]』(ともに東京大学出版会)などがある。
comment:1
icon
  • 記事の閲覧、コメントの投稿には、会員登録が必要になります。
フォーサイトのお申し込み
注目記事ランキング
  • 24時間
  • 1週間
  • f
  • 新着
  • 高評価
  • コメント数順