【インタビュー】満屋裕明(熊本大学医学部教授 米国立癌研究所レトロウイルス感染部部長) 新薬で「エイズ封じ込め」の可能性が見えてきた

執筆者:堀田佳男 2005年1月号
カテゴリ: 社会
エリア: 日本

世界で初めて抗エイズ薬の開発に成功。さらに今また世界に先駆けて新たな薬剤の実用化に進む世界的権威が語った新薬開発の現在と未来。 十二月一日は世界エイズデーだったが、日本ではエイズに対する人々の関心は薄らいだ感がある。しかし世界のエイズウイルス(HIV)感染者(患者を含む)は二〇〇四年、過去最高の三千九百四十万人(世界保健機関の推計)に達した。ほとんどの先進国では感染者数が減少傾向にある一方でアフリカや東南アジアでは増え続けている。先進国で感染者を増やしているのは日本だけだ。世界全体では、二〇〇四年だけで三百十万人が死亡しており、医学界はいまだに大きな脅威と捉えている。 日本でエイズが騒がれなくなった一因は、感染してもすぐには死に至らない病であることが分かったからでもある。一九八〇年代半ばには、発症後半年から三年で死亡すると噂されたが、いまでは感染後二十年以上も「普通の生活」を送れる感染者も珍しくなくなった。 それは、医学者たちがエイズウイルスの活動を抑制する薬剤を開発してきたからに他ならない。現在、日米でそれぞれ約二十の抗ウイルス剤が認可され、多剤併用することで体内に入り込んだウイルスの活動をかなり抑制できるようになってきた。

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