自由化にさらされる英「ロイヤル・メール」が生き残りをかけるリストラ

2005年1月号
カテゴリ: 国際 経済・ビジネス
エリア: ヨーロッパ

 一六三五年、国王チャールズ一世が王室の配達網を一般公開して以来、英郵便事業を独占してきたロイヤル・メールがリストラに本腰を入れ始めた。郵便事業の自由化で競争が本格化してきたからだ。「一日あたり百万ポンドの赤字」がかつて枕詞だったロイヤル・メールだが、十一月発表の上半期決算で「一日あたり百万ポンドの黒字」に転換。政府が一〇〇%株主の同社は、郵便局、郵便集配、小包配達の三部門から成る。このうち業績改善に貢献したのは、唯一黒字の郵便集配部門。二〇〇三年一月の部分自由化で、新規参入組による市場侵食が本格化してきた分野である。新たな競争が危機感をあおり、リストラを迫っているのだ。 自由化で事業認可を受けたのは、ドイツポスト、蘭TPGポストなど外国勢や牛乳配達会社など八社。一度の取り扱いが四千通以上の書状が開放され、公共料金請求書など業者発一般世帯向け郵便が主な競争場となった。いまだに、ロイヤル・メールの市場シェアは九九%を超え圧倒的。だが、新規参入組が着実に顧客を増やしているうえ、当初〇七年四月だった完全自由化期限も〇六年一月に前倒しの方向となった。規制当局(ポストコム)は現在、ロイヤル・メールだけ免除されている付加価値税(一七・五%)を一律五%に下げて全郵便事業者に適用する案を政府に提言している。ロイヤル・メールの環境は厳しくなる一方なのだ。

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