「北朝鮮との対話」は進むか(下)人民武力部長を8カ月で更迭

平井久志
執筆者:平井久志 2013年5月17日
カテゴリ: 国際 外交・安全保障
エリア: 朝鮮半島
 5月13日に平壌で公演を観覧した金正恩夫妻 (C)AFP=時事
5月13日に平壌で公演を観覧した金正恩夫妻 (C)AFP=時事

  北朝鮮メディアは5月13日に金正恩(キム・ジョンウン)第1書記夫妻が朝鮮人民内務軍協奏団の公演を観覧したことを報じた中で、これに随行した張正男(チャン・ジョンナム)氏を人民武力部長の肩書きで報じた。

 この報道で金格植(キム・ギョクシク)人民武力部長が更迭され、張正男氏が人民武力部長に就任していることが確認された。金格植氏は昨年12月21日に人民武力部長への就任が確認された(実際の就任は同年10月ごろと推定)が、わずか8カ月で更迭された。その前任者の金正角(キム・ジョンガク)氏も2012年4月に人民武力部長への就任が確認されたが、12年11月に更迭され金格植氏に交代した。人民武力部長は国防相に相当する軍の中枢ポストだ。その部長がこのように短期間に交代を繰り返すことは、金正恩政権の軍部の状況が極めて不安定であることを示すものだ。

 

新部長の詳細な経歴は不明

 金格植氏は今年3月31日に開催された党中央委員会総会で党の政治局員候補に選出され、翌4月1日の最高人民会議第12期第7回会議では国防委員に選出されたばかりだ。政治局員候補や国防委員に選出された人物が1カ月余で更迭されるというのは異常だ。金格植氏の党や国防委員会のポストがどうなっているかは不明だが、解任された可能性もある。

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執筆者プロフィール
平井久志
平井久志 ジャーナリスト。1952年香川県生れ。75年早稲田大学法学部卒業、共同通信社に入社。外信部、ソウル支局長、北京特派員、編集委員兼論説委員などを経て2012年3月に定年退社。現在、共同通信客員論説委員。2002年、瀋陽事件報道で新聞協会賞受賞。同年、瀋陽事件や北朝鮮経済改革などの朝鮮問題報道でボーン・上田賞受賞。 著書に『ソウル打令―反日と嫌韓の谷間で―』『日韓子育て戦争―「虹」と「星」が架ける橋―』(共に徳間書店)、『コリア打令―あまりにダイナミックな韓国人の現住所―』(ビジネス社)、『なぜ北朝鮮は孤立するのか 金正日 破局へ向かう「先軍体制」』(新潮選書)『北朝鮮の指導体制と後継 金正日から金正恩へ』(岩波現代文庫)など。
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