グローバル・ビジネスの新地政学
グローバル・ビジネスの新地政学(13)

成長率6.6%「フィリピン経済」の「目覚め」と「課題」

執筆者:森山伸五 2013年5月23日
カテゴリ: 国際 経済・ビジネス
 「ユニクロ」も去年6月に進出した (C)時事
「ユニクロ」も去年6月に進出した (C)時事

 今、中国に代わって成長地域として活況を呈しているのは、 言うまでもなく東南アジア諸国連合(ASEAN)だ。ASEANの加盟国では1967年の発足時からの加盟国であるシンガポール、マレーシア、タイ、インドネシアなどが先行して発展、後で加わったベトナム、ラオス、ミャンマー、カンボジアの4カ国は「後発ASEAN」と呼ばれ、発展に格差があった。だが、先行組と後発4カ国の間に埋没して、成長のシナリオが描けないと思われてきた国がある。フィリピンである。

 

ASEANのトップ

 フィリピンはマルコス独裁体制のもとで1960年代から80年代にかけ、一定の成長をみせた。東南アジアにおける典型的な開発独裁だが、反マルコスの急先鋒だったベニグノ・アキノ・ジュニア上院議員(コラソン・アキノ元大統領の夫で、ベニグノ・アキノ3世現大統領の父親)の暗殺など強権的な政治手法、一部の経済人のみを優遇するネポティズム(縁故主義) が国民の批判を受け、86年に市民革命によって倒された。その後は、ラモス、 エストラダ、アロヨなど指導力に欠ける大統領が続き、政治混乱に陥ったこともあって、経済は低迷。「ASEANのお荷物」と呼ばれてきた。97年のアジア通貨危機後、同じように停滞したインドネシアが石油、天然ガス、石炭など資源に恵まれ、資源輸出が経済の大きな柱となっているのと違って、フィリピンには資源らしい資源もない。

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