「領事館襲撃事件」を蒸し返す米共和党「批判の矛先」

足立正彦
執筆者:足立正彦 2013年5月17日
エリア: 北米

 昨年9月11日、リビア北東部に位置するベンガジの米国領事館が数十名からなるアルカイダ系の武装組織に襲撃された事件が発生してから早くも8カ月以上が経過した。同襲撃事件では、J.クリストファー・スティーブンズ駐リビア米国大使をはじめ米国人4名が犠牲となった。同襲撃事件発生当時、筆者は米東海岸に滞在しており、意見交換を終えて滞在先ホテルに戻り、主要ネットワークのニュース番組の映像に衝撃を受け釘付けになったことを鮮明に記憶している。在ベンガジ米国領事館襲撃事件は、2012年米国大統領選挙キャンペーンが本格化したレイバー・デー休暇明けに発生したため、バラク・オバマ大統領とミット・ロムニー共和党大統領候補との対テロ政策を巡る議論の中でも注目を集めることとなった。

 発生直後、オバマ政権は事件について次のように説明していた。イスラム教の預言者マホメットを冒涜したオンライン・ビデオが米国内で制作され、それに抗議するために発生した反米デモが暴徒化して領事館を襲撃、駐リビア米国大使らが殺害された――。ところが、その後、同襲撃事件はアルカイダ系の武装組織により周到に計画されたテロ攻撃であったことが判明したのである。昨年10月に行なわれた大統領テレビ討論会の中でも同襲撃事件に対するオバマ政権の対応の拙さについてロムニー候補は取り上げたが、オバマ大統領を十分攻め込むことができず、オバマ大統領の再選を許す結果となった。

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執筆者プロフィール
足立正彦
足立正彦 住友商事グローバルリサーチ シニアアナリスト。1965年生れ。90年、慶應義塾大学法学部卒業後、ハイテク・メーカーで日米経済摩擦案件にかかわる。2000年7月から4年間、米ワシントンDCで米国政治、日米通商問題、米議会動向、日米関係全般を調査・分析。06年4月より現職。米国大統領選挙、米国内政、日米通商関係、米国の対中東政策などを担当する。
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