「左」と「右」の間で揺れるペルー・ウマラ政権への「弱腰外交」批判

遅野井茂雄
執筆者:遅野井茂雄 2013年5月19日
カテゴリ: 国際 外交・安全保障
エリア: 中南米

 ペルーのラファエル・ロンカグリオロ外相が5月14日突然辞任し、ウマラ大統領は後任にリバス法務人権大臣を任命した。女性の外務大臣就任はペルーでは初めて。

 外相辞任の理由は表向き健康問題となっているが、現地の報道では、大統領選後のベネズエラ情勢への対応によるものと観測されている。

 

収束への見込みが立たないベネズエラ情勢

 チャベス大統領の死去を受けて4月14日行なわれたベネズエラの大統領選挙をめぐる情勢の悪化については、南米諸国連合(UNASUR)が、議長国ペルーの首都リマで開催された緊急首脳会合において、ニコラス・マドゥロ暫定大統領の勝利を認知すると同時に、反チャベス派に配慮して、投票の再集計への支持と、両勢力に対話と寛容を通じた収拾を促す、両睨みの宣言によって事態の収束に動いたことは、先に報告した通りである(4月22日「『ポスト・チャベス』与党候補の『辛勝』で不安定さ増すベネズエラ情勢」)。

 ベネズエラ情勢は、その後も両者の対立が深まっており予断を許さない状況が続いている。アメリカ政府は、野党候補者に投票した700万人の有権者が真相を求め、票の再集計を要求していることを支持する立場を崩しておらず、マドゥロ新政権の承認を依然留保している(5月2日、米国務省ベントレル副報道官ブリーフ)。

執筆者プロフィール
遅野井茂雄
遅野井茂雄 筑波大学大学院教授、人文社会系長。1952年松本市生れ。東京外国語大学卒。筑波大学大学院修士課程修了後、アジア経済研究所入所。ペルー問題研究所客員研究員、在ペルー日本国大使館1等書記官、アジア経済研究所主任調査研究員、南山大学教授を経て、2003年より現職。専門はラテンアメリカ政治・国際関係。主著に『21世紀ラテンアメリカの左派政権:虚像と実像』(編著)。
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