日本との「2プラス2」でロシアが目指すもの

名越健郎
執筆者:名越健郎 2013年6月3日
カテゴリ: 国際 外交・安全保障
エリア: ロシア
 ロシア側の狙いは?(C)AFP=時事
ロシア側の狙いは?(C)AFP=時事

  4月29日の日露首脳会談は、平和条約交渉活性化、多角的経済協力など大きな成果を挙げたが、最大のサプライズは外務・防衛閣僚会議(2プラス2)の立ち上げだった。日本が「2プラス2」会合を定期化するのは、米国とオーストラリアに次いでロシアが3カ国目。平和条約もないのに、同盟国並みの扱いとなる。

 ロシアにとって、「2プラス2」会合は、米、英、フランス、イタリアに次いで日本が5カ国目で、アジアでは最初の相手国となる。外交はパーセプション(諸外国の受け止め方)のゲームであり、日露の急接近を世界に印象付けることになる。中国の政治的、軍事的台頭をにらんだ措置であることは間違いなく、表面上平静を装う中国も警戒感を強めているはずだ。

 外交筋によれば、第1回日露「2プラス2」会合は、今秋、ラブロフ外相と昨年秋に就任したばかりのショイグ国防相が来日して東京で開催される見通し。ロシア国防相の訪日は、2003年のセルゲイ・イワノフ国防相の来日以来10年ぶり。ロシア筋によると、夏までにゲラシモフ軍参謀総長も訪日する予定で、日露の安保・防衛交流が一気に拡大する。

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執筆者プロフィール
名越健郎
名越健郎 1953年岡山県生れ。東京外国語大学ロシア語科卒業。時事通信社に入社、外信部、バンコク支局、モスクワ支局、ワシントン支局、外信部長を歴任。2011年、同社退社。現在、拓殖大学海外事情研究所教授。国際教養大学東アジア調査研究センター特任教授。著書に『クレムリン秘密文書は語る―闇の日ソ関係史』(中公新書)、『独裁者たちへ!!―ひと口レジスタンス459』(講談社)、『ジョークで読む国際政治』(新潮新書)、『独裁者プーチン』(文春新書)など。
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