買収攻勢にさらされるロンドン証券取引所の泣き所はポンド建て?

2005年2月号
カテゴリ: 国際 経済・ビジネス
エリア: 中国・台湾

 ニューヨーク、東京と並んで世界三大市場の一角を占めるロンドン証券取引所(LSE)が買収攻勢にさらされている。フランクフルト証券取引所などを傘下に持つドイツ取引所が昨年末に買収提案を行なったのをきっかけに、パリなど四証取の連合体である多国籍証券取引所「ユーロネクスト」も対抗して買収に乗り出した。 ロンドン証取の上場銘柄の時価総額は二兆七千億ドル。ドイツ取引所の一兆一千億ドルやユーロネクストの二兆三千億ドルを上回る欧州一の株式市場だ。それが何故、買収の標的なのか。 ロンドンがドイツやフランスからの買収提案を無下に断れない最大の理由はユーロ通貨の存在とみていい。ロンドン市場は言うまでもなく英ポンド建て取引。ドイツが旧マルク建て、フランスが旧フラン建てで取引していた時にはまったく問題はなかったが、ユーロが「基軸通貨」化するに従って、ポンド建て市場の不利さが明らかになってきた。このままでは欧州あるいはユーロ圏の中核市場となることは不可能だ、との焦りがロンドン証取にはあるようだ。 実際ユーロの基軸通貨化は予想以上に早いペースで進んでいる。国際市場で発行される債券は発行額・発行残高ともすでにユーロ建てが米ドル建てを上回った。今のところポンドはユーロに連動して対ドルで強くなっているが、対ユーロで大幅に下落するようなことでもあれば、大陸の投資家にとってポンド建て取引は大きなリスクになる。ポンドが急速にローカル通貨となる懸念が出る一方、英国世論はユーロ導入に根強く反対。ロンドン証取はポンドとの決別を意識し始めたのかもしれない。

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