アメリカで露呈した新薬審査の「死角」

2005年2月号
カテゴリ: 国際
エリア: 北米

[ワシントン発]胃炎などが起きにくい新型の消炎鎮痛剤として米国を中心に人気が高まっていた「COX2阻害剤」に、心臓発作などのリスクを高める重大な副作用があることが発覚し、米医薬行政や医薬業界を揺るがす事件に発展している。 問題が表面化したのは、米医薬第二位のメルクが昨年九月末、主力製品であるCOX2阻害剤「バイオックス」に心筋梗塞などを引き起こすリスクがあるとして販売中止と製品回収を発表したのがきっかけだ。バイオックスは一九九九年の発売開始以来、米国内で二千万人もの患者に処方されたとされ、販売中止時点でも世界八十カ国で約二百万人が使用(日本では未承認)していた。 衝撃波は世界に広がった。バイオックスは二〇〇三年に世界全体で二十五億ドルの売り上げを記録。メルクの収益の約一割を占めただけに、同社の株価は急落した。 その後、最大手ファイザーのCOX2阻害剤「セレブレックス」などにも同様な副作用がある可能性が発覚。ファイザーは販売中止は見送ったものの、同薬の広告は自主的に打ち切った。米食品医薬品局(FDA)も遅ればせながら十二月二十三日、セレブレックスをはじめとするCOX2阻害剤の使用を制限するよう全米の医師に勧告を発した。

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