深層レポート 日本の政治
深層レポート 日本の政治(61)

首相の大見得「郵政改革実現」のおぼつかない行方

2005年2月号
カテゴリ: 政治
エリア: 日本

 歌舞伎好きで知られる小泉純一郎首相がもっとも気に入っている演目は「忠臣蔵」だ。昨年二回の歌舞伎見物も、一月二日に「仮名手本忠臣蔵」、八月十六日に「元禄忠臣蔵 御浜御殿綱豊卿」と、ともに忠臣蔵を選んでいる。ふだんから「何度見ても泣かされる」と語る通り、クライマックスのシーンでは涙をこぼし盛んに拍手を送る首相の姿があった。 不利を承知で最大派閥・橋本派(当時)を中心とする自民党主流派に三度目の戦いを挑み、番狂わせの勝利を飾ることになる二〇〇一年四月の自民党総裁選直前も、小泉氏は何度か東京・銀座の歌舞伎座に通った。無論、観たのは忠臣蔵だった。「国民は自分を求めている」という自負と、「今度負ければ『総裁候補失格』の烙印を押されかねない」という懸念。忠臣蔵の世界に感情移入し、命と引き換えに主君の仇討ちという「本懐」を遂げた赤穂浪士に自らを重ねることで、怯懦の心を吹き飛ばそうとしたのである。 赤穂浪士の吉良邸討ち入り日に当たる昨年十二月十四日夜、首相は四十七士の墓がある東京・高輪の泉岳寺に参った。供養塔に線香を上げ、神妙に手を合わせた首相は墓碑の名前を読み上げながら「昔は偉い人がいたね」と誰ともなしに語り掛けた。

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