「準圧政国家」ベネズエラを率いるチャベスの“正体”

執筆者:藤原章生 2005年3月号
カテゴリ: 国際
エリア: 中南米

[メキシコシティ発]先日、キューバのハバナで見たテレビは少し不気味な感じがした。ベネズエラの無医村で手術を受けた重病の男性が「私は初めてまともな医者に会えた。キューバの医師たちよ、ありがとう。キューバを愛しています」と語る映像が繰り返し流されていたからだ。番組はベネズエラの医師は全て悪と言い切っているようだった。 医師を中心に約五万人のキューバ人が途上国六十九カ国に派遣されているが、そのうち約二万人がベネズエラに集中している。映像はその貢献度を自賛しているに過ぎないし、善悪を際だたせる二元論は社会主義国につきものだが、「カストロの一番の子分」とも言えるベネズエラのウゴ・チャベス大統領(五〇)の問題もそこに尽きる。 ライス米国務長官は就任前の一月、上院でベネズエラを「地域に悪い影響をもたらす国」とみなした。とはいえベネズエラでは反政府勢力や報道陣を拷問死に至らせるような露骨さはない。農地の接収を手がけても、ジンバブエのように白人農民というだけで財産を奪われ国を追われることもない。ただ、一九九九年に就任以来、反米色を振りまき「貧者を救う革命家」を自任するチャベス氏が「革命か否か」という単純な二者択一を国民に迫ってきたのは確かだ。ライス氏は、これを「悪影響」とみなしたのかも知れない。

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